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樫村 紗名

35+1d10　登場/リザレクト (35+1D10) ＞ 35+4[4] ＞ 39

樫村 紗名

「！！！」

樫村 紗名

応接間、ここは人が何十人か詰め込んでも平気そうな広々としたスペース。
そこに集められた少女たち。

樫村 紗名

そして、その中で。
一層幼く見える、金髪の少女。
彼女はぱぁああ、と目を光らせてその菓子とウズメの顔を見つめて。

樫村 紗名

「こ、これ……いいのか！？」

樫村 紗名

「！？　そ、それはダメだ……！
　なんか、やるならえ、えーっと……アレだ！」

樫村 紗名

あたふたと、視線が部屋中に見回って。

樫村 紗名

目に付いた、配られたお菓子を、ぱくっ。

樫村 紗名

「コイツは悪い事してないから、セップクとかダメだ！
　食った私が受ける！」

樫村 紗名

もっもっ、口からお菓子のカスを零しながら。

樫村 紗名

「なんだそれぇ……！？
　ぶ、物騒じゃないのかぁ！？」
がぁん、と雷が落ちたようなショックを受けて。

樫村 紗名

「はあ！？えあっ、何やってんだお前……！？」

樫村 紗名

「そ、そういうのはだな……！！！」

樫村 紗名

パチン。
紗名の周囲に、桃色の宝石が光り。

樫村 紗名

────《地獄耳》
紗名の”領域”に入った、足音を、全身で感じ。

樫村 紗名

「いけないことだぞ！？
　怒られるから────あ。」

樫村 紗名

調の方へと体を向けていたが。
感じたゆるやかな音。そして、入ってきたメイプルトリックを見て。

樫村 紗名

「あ、危ない事はしちゃだめなんだぞ……！
　……大切なモノなら、見せたい気持ちもわかるけど」
調にそう言って。

樫村 紗名

叱られた子どものように、眉をへにゃりと曲がらせながら。
資料を、恐る恐る受け取る。

樫村 紗名

ぽふり、音を立てて椅子に座る。
紗名の表情は、打って変わって明るく、キラキラとしたものに。
これから始まる”任務”を、何が始まるのかとワクワクしているのだ。

樫村 紗名

「……？
　それってフツーの事じゃないのか？」

樫村 紗名

机の端っこを、掴みながら、体を伸ばす。
顔を見上げて、メイプルトリックに見つめる。

樫村 紗名

紗名はレネゲイドから生まれた存在、RBである。
そのため、レネゲイドとの距離感がかなり近い。
事件の重大さが、今の説明ではピンと来ていないようで。

樫村 紗名

ん～？と、顎に手を当て目をつむる。
ぐぐぐ、と頭を回転させながら。

樫村 紗名

「………あ！」

樫村 紗名

何か思いついたように顔を上げる。
しかし、あくまでノーラに聞かれているので口を押えた。

樫村 紗名

「……！」
その言葉に。
バッテンにした口を恐る恐る開く。

樫村 紗名

「えーっとその……日常って奴の中に、レネゲイドが混じると……
　まっすぐにならない！日常が、非日常って奴に変わっちゃうから……えーっと……」

樫村 紗名

うんうん、と声を上げて唸り。

樫村 紗名

「……つまり、チョーヤバい！？」

樫村 紗名

その事実に、だらり、と汗を流す。
正解と言われたため、自分の答えがあっていたことに、胸をなでおろし。

樫村 紗名

他も……そうだそうだ、って言ってるな。
私の考えたフツーは、周りのフツーとは違うらしい。
……むむ、まだまだ知らないことばっかりだ。

樫村 紗名

くるり、と月詠に背中ごと向けて。

樫村 紗名

ほへー……と、すらすらと応える彼女に驚いた顔を。
口にクッキーの食べかすを残しながら。

樫村 紗名

「……！！
　それならやっぱり、ヤバい事じゃん…！？
　普通の人が掛かったら、こわくないか……！？」

樫村 紗名

だらだら。
日常と非日常の落差に、口を堅く結んで。

樫村 紗名

……もしレネゲイドが広まっていったら。
蔵六とか、アイツも私の立派な日常……って奴なんだろう。
だから、もしその手がそこまで伸びたら………

樫村 紗名

そのリズムに、ハッと顔を上げて。

樫村 紗名

「じゃ、じゃあじゃあ…！」
リズムに対抗するように、バンバン、と机をたたく。

樫村 紗名

「今すぐにでも向かった方がいいんじゃないか？！
　い、今にでも”私たち”が日常を壊すんなら……！」

樫村 紗名

私たち。
これは”レネゲイド”という物質から生まれた、紗名のレネゲイドの総括である。

樫村 紗名

「……わかった」
もっもっ、残っていたクッキーを食べ終えて。

樫村 紗名

FH……悪い奴らだ。
なんかこう、私も変な奴扱いするから、あんまり好きじゃない。

樫村 紗名

「………むむむ
　れんけー。みんなと協力する……わかった！」
元気良く、手を掲げて頷いて。

樫村 紗名

ウズメとノーラに、こくりと頷いて。

樫村 紗名

「それじゃあがんばるぞ！………」
……れんけー、出来てなくないか？
ちらり、調を見てそう思ったが。

樫村 紗名

「おー！！！」
多分アイツなりに、頑張ってるんだろう！
そのまま、ぱっぱとクッキーやらなにやらを片づけて。

樫村 紗名

そのまま、負けていられないと。
先ほど思った事も忘れて、部屋をバタバタと駆けて行った。

樫村 紗名

44+1d10　登場/リザレクト (44+1D10) ＞ 44+5[5] ＞ 49

樫村 紗名

！

樫村 紗名

「おう！お疲れ様だ！」
手をぶんぶんと、大きく振りながら。

樫村 紗名

片手には端末が握られている。
これは情報が見終えたから、ではなく。ただ操作方法がわからないのだ。

樫村 紗名

「………な、なんだよ……そんな目で見て
　け、けっして…わからないとか、そういうのではないぞ！？」
二人の目線を受けて、紗名は一歩二歩、後ずさって。

樫村 紗名

「……！」

樫村 紗名

こくこく、と頷き。
言われた通りに端末を操作する。紗名は世間知らずであった。

樫村 紗名

そうして、情報の端から端を見渡して。

樫村 紗名

「………これ、鬼ごっことかしてるわけじゃないんだよな
　ただ逃げてるなら……なんか、こう……大変じゃないか！？コイツ！」

樫村 紗名

端末の、”何者か”という所を指さしながら。
わたわたと、彼女の考えを話し始めて。

樫村 紗名

「……むーん。
　ウズメはニンジャとか聞いたし
　やっぱり……隠れる人を見つけるのは、難しいのか？」

樫村 紗名

……逃げる何者か。
これはもしかすれば……FHの悪い奴らに、追いかけられてる誰かなのかも。
────昔の私みたいに。

樫村 紗名

そうだったのか、と手を軽く叩く。

樫村 紗名

「じゃあじゃあ……ニンジャマニアのウズメは、これ以上わからないと思ったんだな　……む！」

樫村 紗名

くるりと、調の方へと顔を向ける。

樫村 紗名

「気になっただけだ！
　コイツが何も悪い事してなくて、でも追いかけられてるかもって思ったからだ！」

樫村 紗名

腰に手を当てながら、ふんすと鼻息を荒くしてそう言う。

樫村 紗名

「ソイツの事を知る！」

樫村 紗名

「知らないことは知るべきだ！」

樫村 紗名

……うえ、と言葉が詰まる。
調の発する言葉に、ずいと一歩後ずさり。

樫村 紗名

「……わからん！……その時にならないと、わからん！
　けど、多分……話してみたい、と思う！」

樫村 紗名

生まれたばっかりで、私は知らないことだらけ。
だからこそ、知らない何かを埋めていきたい。

樫村 紗名

「む」

樫村 紗名

「……それじゃあ、お前らはどうなんだよ！どうしたいんだ？」
下がっていた一歩を、前に進まして。

樫村 紗名

ちらり、二人の方を見ながら。

樫村 紗名

こくり、と頷く。

樫村 紗名

ウズメの言葉にやっぱり！と。
自信満々に、胸を張って。

樫村 紗名

「……そうか！ふむふむ」

樫村 紗名

何かを納得したかのように、こくりと頷き。

樫村 紗名

「つまりお前も知らない、という事だな！」

樫村 紗名

ぴし、と調に指を突き付ける。

樫村 紗名

ニカっと笑い。

樫村 紗名

「なら、知らないなら知る事にトライするのがいい気がする！」

樫村 紗名

そこは同じだ、とこくこく頷いている。

樫村 紗名

じゃあじゃあ！と、ごそごそとポケットを探る。

樫村 紗名

中から取り出したのは、情報端末。
使い方はさっき教えてもらったからバッチリだ。

樫村 紗名

「じゃあ早速コイツの居場所に向かえばいいな！」
と、情報端末を見ながら、歩き出す。

樫村 紗名

勿論、”誰か”の場所はわかっていない。

樫村 紗名

紗名はソイツの事を知るなら、直接聞けばいいと思って歩き出した。
透明存在なので、会えるわけはないが。
そのため明後日の方向に歩いて言っている。

樫村 紗名

「え？」

樫村 紗名

ぴたっ。足が止まる。

樫村 紗名

「……会いに行けばいいと思って、それで……」

樫村 紗名

「……あ、アイツ透明じゃないか！！！
　会って話、出来ないぞ！？」

樫村 紗名

「…………」

樫村 紗名

視線が刺さるように、向けられて。
顔を茹蛸みたいに真っ赤にする。

樫村 紗名

「……うるさいうるさい！
　それならこれだ！端末！これでやればいいだろ！」

樫村 紗名

ぶんぶん、端末を持った腕を強く振って。

樫村 紗名

むー、と口を鋭く尖らせる。

樫村 紗名

「……後は……ソイツが何をしたいのか、とかもだな」

樫村 紗名

「だって、悪い奴に追いかけられてるんだろ？
　それなら、私なら、ムカつくし！」

樫村 紗名

じたばた、自分のことのように地団太を踏んで。

樫村 紗名

「でも、理由があるなら、納得するかもしれない！
　納得できない事かもしれない！だから、知ってみるんだ！」

樫村 紗名

な、なんだそれ…！？と、目を白黒とさせる。
なぜいい子と言われたかは、わからないままのようで。

樫村 紗名

「ぅ、ぅう……いいから調べるんだ！
　それでいいだろ！」
耳を、赤く灯しながら。
ぎゅうう、と端末を握りしめて。

樫村 紗名

顔を背けるように、端末をのぞき込む。

樫村 紗名

樫村 紗名

・FHエージェント「ブラインド・スポット」の離反理由について
　<情報:UGN><情報:FH>、難易度11。

樫村 紗名

これ

樫村 紗名

情報UGNで判定

樫村 紗名

(4+0)dx+2=>11 (4DX10+2>=11) ＞ 10[2,3,4,10]+10[10]+5[5]+2 ＞ 27 ＞ 成功

樫村 紗名

たっ……たっ……
ぎこちない手つきで、端末に指を滑らせていき。

樫村 紗名

「……こ、これで大丈夫…だろう！」

樫村 紗名

情報を全員に送る。
道中、ブラインドスポットについての情報もまた受け取り。

樫村 紗名

「むう……褒められて喜ぶほど、子どもではないぞ！」

樫村 紗名

そうは言うが、照れたように顔を赤くし。
感謝を述べながら、どら焼きに口を伸ばしている。

樫村 紗名

「んぐ、もぐもぐ……ほれで
　コイツは……情報を盗んだ……んだよな」

樫村 紗名

次々に食べているせいか、ほっぺをリスのように膨らませて。

樫村 紗名

「………だよな、むう……」
ごっくん、と噛み切って飲み込み。

樫村 紗名

「私はコイツの事が気になる、って思ったが
　コイツは悪い奴とはいえ、大切なモノを盗んだんだろ？」

樫村 紗名

「それなら……コイツも悪い奴なのか？」

樫村 紗名

眉をへし曲げながら、二人に顔を向ける。

樫村 紗名

……悪い奴の妨害をしたなら、いい事なのか？
んでも、盗むことは良くないってことだから。
じゃあ、やっぱり悪い事？

樫村 紗名

わからん。さっぱりだ。

樫村 紗名

ぱちぱち、と目を瞬かせる。

樫村 紗名

その瞬間、二人の唸る声は一瞬掻き消えた。
……え、今何が起こったんだ？

樫村 紗名

「……そんな感じ……
　え、じゃあもしかしてお前……！！」

樫村 紗名

「盗んだのか！？」

樫村 紗名

口をわなわなと震わせながら。

樫村 紗名

「……ほへ？」

樫村 紗名

はっ！
なるほど、と頷いて。

樫村 紗名

「むー……
　じゃあやっぱり、ニンジャとかでもしない、悪い事……なんだろ？
　でも盗んだ奴が悪い奴なら……むぅん。」

樫村 紗名

頭をガシガシ、と無造作に書いて。

樫村 紗名

「……モシャモシャする！」

樫村 紗名

じっと、頭を上げてウズメを見る。

樫村 紗名

「えっ、あー……
　……私が盗んだことになる？」

樫村 紗名

ぱんぱん、と自分のポケットを叩きながら。

樫村 紗名

「………？」
首を傾げて、調の方を見る。

樫村 紗名

「……そんな感じになるのか？」
と、ウズメへと目を送る。

樫村 紗名

ふむ！と、頬に手を添えて。

樫村 紗名

「……！なるほど……！！
　そうか、二人とも凄いな！」

樫村 紗名

目をキラキラと輝かせて、その光を二人に向ける。

樫村 紗名

「私が知りたいといったなら、そうするべきだよな！
　そうか、その通りだ！」

樫村 紗名

こくこく、と頷き。

樫村 紗名

「いった！出来た！」

樫村 紗名

にこっと笑い。

樫村 紗名

「よし！そうと決まればさっそく向かえばいいな！
　まだまだ、知らないことばっかなんだし！」

樫村 紗名

行くぞ！お前ら！と、意気揚々とあしを進めていく。
今度こそは、道を間違えないように…と。

樫村 紗名

樫村 紗名

樫村 紗名

樫村 紗名

《妖精の手》

樫村 紗名

私はなんでも出来るからな
この程度ならおちゃのこさいさいだ！

樫村 紗名

《妖精の輪》

樫村 紗名

ほい

樫村 紗名

57+1d10　登場/リザレクト (57+1D10) ＞ 57+7[7] ＞ 64

樫村 紗名

「………！？」

樫村 紗名

何かを発するか前に、だっと彼女に駆け寄る。

樫村 紗名

項垂れる彼女に合わせるように、しゃがんで。
彼女の腕を、ぎゅっと掴む。……暖かい、けど…！

樫村 紗名

はっ、と我に返る。
私…何も出来ないんじゃないか！？

樫村 紗名

「え、あ……こういうのってどうすればいいんだ！？
　の、ノーラとか救急箱とか持ってないの……　……あ。」

樫村 紗名

「……！」
夢見、ブラインドの反応を見て頷く────が。

樫村 紗名

「……がっ！？うげ」
ごつん、といい音を立てて、頭を壁にぶつける。

樫村 紗名

ひりひり、と頭のてっぺんが熱くなっているのを感じて。

樫村 紗名

「な、なにするんだよ！？痛かったじゃないか！！
　……それに！」

樫村 紗名

「……お前も怪我してるじゃないか！」

樫村 紗名

ひりひりとした頭をさすりながら、ゆっくりと起き上がる。

樫村 紗名

「するか！」

樫村 紗名

調に頷いて。

樫村 紗名

「だいたい、お前に突き飛ばされて頭が痛いんだぞ！
　何かするならもうやってる！」

樫村 紗名

ぷくー、っと不満げに頬を膨らませ。